結核の脅威【病気と免疫力】


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   結核の脅威

「今どき結核なんて・・・」そう思ってはいませんか?
結核は、今「緊急事態宣言」を発し、新たな問題として私たちの前に立ちはだかっています。


かつて日本人の死因の第1位を占め、「国民病」と呼ばれ恐れられた結核。撲滅への国家的対応のひとつとして昭和26年に制定された結核予防法が50年ぶりに大改正されました。今回の改正では、制定当事と比べ結核を取り巻く状況が大きく変化したことを踏まえ、予防接種や健診方法の抜本的見直しが行われたようです。

結核は今も国内最大級の感染症です。
新たな結核予防法による、より効果的な結核対策の実施が期待されています。

咳やたんが出て、微熱もあるし身体がだるい。かぜだと思ってくすりを飲んでもなかなか治らないので病院に行ったら結核だった・・・。こんな話を耳にしませんか?過去の病気だと思っていた結核が、お年寄り、そして若者でもまた増えてきているのです。

最近、問題なのは高齢者の結核です。患者さんに占める高齢者の割合は年々増え、2003年では43%が70歳以上の高齢者となっています。この年代は、日本に結核が蔓延していた時代に生まれ育っているため、過去に感染の経験のある人が多いことが特徴です。

完治したと思っていても、老化や糖尿病、肝硬変、がん、など他の疾病から免疫力が弱まると、長年にわたって抑えこんでいた結核菌が再び活動をはじめるのです。
都市部では、若年層で新たに結核を発病する率が高くなっているのも特徴の一つのようです。若い世代は今まで結核菌にさらされることなかったため、他の世代よりも感染・発病の危険性が高いとされています。

予防としては、空気によって運ばれてくる結核菌をシャットアウトすることは難しいので、抵抗力のある身体を保つことが大切です。もし感染しても健康体なら免疫機能が働いて発病を防ぐことができます。充分な睡眠やバランスの取れた食生活、適度な運動を日頃から心がけ、定期的に健康診断を受けることが大切になってきます。


【経緯】
結核は、1950年までは日本人の死亡原因のトップを占め、年間に10数万人が亡くなりました。その後、生活水準や環境衛生の向上、医療・医学の進歩などによって患者数、死亡者数は大きく減少し、もう結核は怖くないと思われるようになりました。
ところが、1970年代後半から減少のスピードが鈍くなり、1997年には発生率が再び増加に転じました。この状況に危機感を抱いた国は、1999年に「結核緊急事態宣言」を発表し、本格的に結核の拡大防止に乗り出しました。こうした取り組みで患者数は再び減少しているようですが依然警戒が必要な状況に変わりはないのです。


【治療】
結核の治療は、抗菌剤を中心とした薬物療法が基本になります。入院については必ずしも必要ではないようですが、痰の中に菌が見られ他の人に感染させる恐れがある場合は菌が消えるまで隔離入院されます。入院期間は患者さんによって異なりますが、約2〜3ヶ月で、菌の消失後は3〜6カ月ほど通院をして服薬を続けます。薬については、複数の薬を通常半年間は飲み続けることになるようです。
結核治療は粘り強く続けることが大切です。途中で勝手にやめてしまったり、薬を飲んだり飲まなかったりしていると、結核菌を完全に消滅させることができないだけでなく、薬剤が効かない強い結核菌を生み出してしまう恐れもあります。したがって、担当医の指導にキチンと従うことが大切です。


【補足】
大都市には若年層が多く流入し、また国際化にともなってさまざまな国の人と接触する機会が多いことからも、感染者が増えると考えられています。さらに偏食やダイエットなどの食生活の乱れが身体の抵抗力を低下させ、結核を発症しやすい状況にしています。
自分が感染していることを知らないで日常の生活を続けているうちに進行してしまい、学校や職場で集団感染を引き起こすという深刻なケースも見られるようです。

  
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