加齢と免疫【免疫の仕組み】


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免疫力を高める知恵とコツ

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免疫は、私たちが生存する上で欠かせない身体を守る重要な働きです。
当サイトでは免疫の仕組みや働きについて、その全体像をわかりやすく解説しています。
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   加齢と免疫

年齢とともに体の中の免疫システムは、起こりうる体内の状態に備えて
新しい免疫システムから古い免疫システムへ徐々に切り替わっていきます。

年齢を重ねるごとに、人の身体の各器官は、古くなった機械や車のように、さまざまな故障を起こします。こうした故障は加齢による免疫機能の低下によるものと考えられていました。
老化に伴う変化が最も顕著に現れるのはT細胞です。T細胞の前駆細胞(未熟細胞)は骨髄でつくられ、胸腺で教育を受け選びぬかれたものだけがT細胞として送り出されます。

しかし、T細胞の補充はほとんど新生児期に限られ、その後十分に補充されません。特にT細胞の養成器官である胸腺の老化は早く思春期がピークでその後萎縮を続けて脂肪細胞に変わっていくのです。
その結果、T細胞自身の増殖能力や「自己」と「非自己」の識別能力が低下し、T細胞を構成する免疫細胞グループの比率が変化するので、感染に対する守りが弱くなってしまいます。

また、がん細胞などを単独で直接攻撃するNK細胞の活性化の減少、腸内の細菌バランスの崩壊など、自律神経系への影響、自分自身の細胞に対する抗体の増加など免疫力に対するマイナスの面が取り上げられています。

加齢によって、感染症、がん、生活習慣病、アレルギー症状、自己免疫疾患を発症しやすいと示唆されてきました。加齢とともにすべての免疫力が低下、もしくは過剰となって病気になるのであれば、年をとるに連れて健康を維持することは非常に難しく病気への不安は募るばかりです。

しかし、現在では肝臓や腸管上皮でもT細胞(胸腺外分化T細胞) がつくられていることが発見され、年齢とともに免疫システムがスイッチするという理論が、私たちに勇気を与えてくれています。
それは、免疫細胞は、人類の進化の過程と深くかかわっていて、人間には古くからある免疫組織と新しく進化した免疫組織が備わっているというものです。

≪古くからある免疫組織は≫
 腸管、皮膚、肝臓、外分泌線(涙腺、耳下腺、乳腺など)、子宮の周り。

≪新しい免疫組織は≫
 胸腺、リンパ節、牌臓など。

若いうちには、外から侵入してくる敵に対抗する免疫システムを強化して生命力を守り、年をとると体内で異常を起こしはじめる自分の細胞を監視し、排除する免疫システムへの移行が始まっているとするものです。
年をとっても体も心も健康であれば、古い免疫システムがしっかり活躍をして身体を守っていてくれるというのは非常に心強いものですね。


【免疫の進化】
生物が水中から陸上へあがって生活をするようになってから新しい免疫システムは生まれたそうです。
えら呼吸が肺呼吸となり、えらの一部分が残ったまま胸腺へと進化し、血管やリンパ管などの循環器系、T細胞の分化、リンパ節が進化し、マクロファージから進化したりンパ球ができ、外部から侵入してくる細菌やウイルス、敵から身を守る免疫システムが形成されたそうです。

 『ヘルパーT細胞、キラーT細胞、B細胞』 がその中心です。

古い免疫システムの組織は敵と接触しやすい場所にあり、腸管は食べ物、皮膚は外側のバリアです。マクロファージを集めてNK細胞、胸腺 外分化T胞へ進化をとげたそうで、年齢とともに自然に体内に酸化物質が増え、老廃物をためこみがちになるため、体内の異常化した細胞を見つけ出して取り除く仕組みが中心となっている。といわれています。

  
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